残業代の計算

残業代の計算

「日本人は働きすぎ」とはよく言われておりますが、実際残業がない企業というのは存在しないと言っても過言ではありません。 企業で働く労働者として、残業は勿論経験済みかと思います。 では、その残業に対して正当な報酬が支払われているのでしょうか?

その事実を確認する為には、まず残業(時間外労働)に関してのしっかりとした知識を身に着けなければいけません。 時間外労働や深夜労働、休日労働などについての残業代は、通常の賃金よりも割増しとなります。 割増し率は以下の通りです。

労働の種類 賃金割増率
時間外労働(法定労働時間を超えた場合) 25%割り増し
深夜労働(午後10時から午前5時までに労働した場合) 25%割り増し
休日労働(法定休日に労働した場合) 35%割り増し
時間外労働+深夜労働 50%割り増し
休日労働+深夜労働 60%割り増し

ご自身の時間給に上記の割増率をかけたものが1時間あたりの残業代となります。 ご自身の時間給に関しては、厳密な計算は会社の事業運用ごとで異なりますが、原則的には月給制の場合「月額給与÷所定労働時間」で算出する事が可能です。 ※所定労働時間とは、就業規則等で企業が定めている労働時間を指します。

上記を参考に具体例を挙げます。

例①Aさんの場合

平日午前9時~午後6時までの時間勤務(休憩1時間)

基本給22万円

休日は土日祝日

その月(31日間、土日祝日は9日間)Aさんは午前9時~午後11時まで働いたとします。

この場合、時間外労働にあたるのは午後6時から午後11時までの5時間となります。 また、午後10時から午後11時までの1時間は深夜労働時間となります。 割増し率は上記の表を参考にして頂く訳なのですが、注意して頂きたいのは時間外労働が深夜に及んだ場合です。 この場合、単純に割増率が追加され、割増率は50%となります。

時間給はAさんの場合、所定労働時間が「22(日間)×8(時間)」で176時間。 基本給与(家族手当や通勤手当を除いたもの)が22万円ですので、「22(万円)÷176(時間)」で、1250円となります。

つまり、この日の残業代は、「1250(円)×1.25(時間外)×4(時間)+1250(円)×1.5(時間外+深夜)×1(時間) 」の式で算出でき、この日の労働により時間外賃金は8125円となります。 因みにAさんが休日出勤をし、午前9時から午後6時(休憩1時間)まで働いた場合なのですが、「1250(円)×1.35(休日労働)×8(時間)」で、13500円となります。

※休日出勤に関してなのですが、所定労働時間の概念がありませんので、時間外労働の概念も存在しません。 したがって、午前5時から午後10時までは単純に35%の割増しとなり、午後11時から午前5時までは「休日労働+深夜労働」となるため、60%の割増しとなります。

慢性的に日々残業を行っている場合には、上記の具体例を見ても分かるように一般的に相当額の割増賃金が発生していることになります。 ご自身の給与が正当なものかどうか一度確認してみてはいかがでしょうか?

仮に計算より少なかった場合、残業代は請求する事が可能です。 但し、実際に時間外労働を行っていたとしても、訴訟等においてはそれを証拠に基づいて立証できなければ主張が認められませんので、日々ご自身の労働時間を記録に残すことが重要と言えます。